世界史を整理するメリット
世界史の整理に入る前に、世界史を整理するメリットについてお伝えします。
結論から言うと世界史を整理すると組織マネジメントについて本質的な理解ができます。
なぜなら、人類の歴史は組織マネジメントについての問題意識から始まっているからです。
どういうことか。人類の歴史の始まりから紐解いてみましょう。
組織マネジメントの必要性が生まれた農業革命
農業革命以前
人類はその昔、動物を狩ったり(狩猟)、木の実を採ったり(採集)して生活をしていました。
このライフスタイルを獲得経済と言います。
獲得経済では、動物や木の実がいつも同じ場所で獲れるとは限らないので、獲れるところに常に移動しなければなりません。
そのようなライフスタイルでは、人口はあまり増えず、集団は大きくなりません。
なぜなら、人一人生きていくために多くの土地を必要としたためです。
集団の人数は数十人程度、多くても数百人くらいだったと言われています。
そのため、獲得経済では大規模な組織を統率し計画的に動かすような組織マネジメントの必要性はあまりありませんでした。
農業革命後
ある時、人類を取り巻く環境に変化が起きます。
地球温暖化です。
すると、安定した温暖な気候を利用して、食物を育てたり(農耕)、動物を飼育したり(牧畜)する人々が現れます。
このライフスタイルを生産経済と言います。
また獲得経済から生産経済への一連の変化を農業革命と言います。
生産経済では、食料を同じ場所で生産できるので人々は定住するようになります。
すると、人口は増え、集団はどんどん大きくなっていきました。
なぜなら、少ない土地で多くの食料を獲得できたからです。
集団の人数は数千人、数万人、数十万人、数百万人...と増えていきました。
そのため、生産経済では大きくなった集団をどのように円滑に管理するのかという組織マネジメントの必要性が生まれます。
例えば、穀物を作るにしても適切な時期に土を耕す、水をひく、種をまく、稲を刈り取るなどの作業のサイクルがありますが、それらの作業を人々がバラバラに好き勝手にやっていたら生産性は上がりません。指導する人と指導される人に分かれ、指導する人の指示に従って計画的に動いた方が生産性は上がります。
また、穀物は動物の肉などとは違い長期間保存が可能でした。
それによって生じた余剰生産分は富となり、富を蓄積できる人と蓄積できない人との間に格差が生まれることになりました。
そのことにより、人々の間で争いが起きるようになりやがて戦争に発展していきます。
戦争にも軍隊を秩序立てて動かすという組織マネジメントの必要性が出てきました。
組織マネジメントが上手くいかない集団は他の集団に戦争で負けて滅ぼされてしまう訳ですから、それはとても重要なことでした。
まとめ
このようにして人類は農業革命をきっかけに組織マネジメントの必要性、つまり
「バラバラな観点を持った人々を統制し、秩序をつくるためにはどうしたらいいの?」
という問題意識を持つようになりました。
この問題を解決するために、人類は文明を発達させていきます。
その中で文字が発明されました。
文字の発明によって記録ができるようになり、今の私たちが過去の出来事を「歴史」として認識できるようになりました。
要するに、人類の歴史の始まりは組織マネジメントについての問題意識からだということです。
そしてこの問題意識は現在もなお人類が持ち続けている問題意識でもあります。
だから世界史を整理することは組織マネジメントについて本質的に理解することにつながるのです。
この記事のシリーズを最後まで読んでいただけたら、組織マネジメントについての理解が深まり、組織経営に役立つ気づきや発見が得られることでしょう。
次回からは具体的に人類は何を道具にして組織をマネジメントしていったのかを見ていくことにしましょう。
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