The Five Points

歴史をたった5つのポイントだけで整理するブログ

世界史をたった5つのポイントだけで整理してみた【Point4】

社会主義による組織マネジメント

次の道具は「社会主義」です。

社会主義とは平等で公正な社会を目指す社会制度です。

 

社会主義は資本主義のアンチテーゼとして誕生しました。

生産手段の社会的所有や計画経済などを特徴としています。

 

それでは社会主義の成立の過程を見ていきましょう。

 

平等で公正な社会を志向する思想は古代からありました。

古代の哲学者たちが市民の財産や社会組織の人為的設計を説いたことに社会主義の萌芽を見ることができます。

彼らはユートピアと呼ばれる貧富の格差がなく平等で豊かな理想社会を構想しました。

 

そして近代の産業革命や市民革命を契機に広がった資本主義を批判し、労働の疎外の問題を提起したマルクスが登場します。

彼によって社会主義の理論が提唱され社会主義運動の礎が築かれました。

 

その後、ロシアがロシア革命を起こし、世界初の社会主義国家、ソ連を樹立します。

第二次世界大戦後、資本主義の代表国アメリカと、社会主義の代表国ソ連による核を道具に睨み合う冷戦が世界の秩序をつくる時代もありました。

 

しかしながら、ソ連の崩壊によって社会主義運動は下火になります。

現在でも社会主義を謳っている国はいくつかありますが、そのほとんどが市場経済を導入しており、平等で公正な社会の実現の難しさを示す形となっています。

 

それでは社会主義は資本主義のどんな問題をどのように解決しようとしたかを見ていきましょう。

 

【問題意識】貧富の格差の拡大

社会主義は資本主義の問題点をどのように見ていたのでしょうか。

資本主義の問題点の一つは貧富の格差の拡大です。

資本主義は私有財産を認めます。

それは経済的な自由がある一方で、資源や生産手段の不均衡が生まれ、一部の人に富が集中してしまう状況を生み出してしまいます。

例えば、資源や生産手段にアクセスのしやすい資本家は、富み、アクセスできず自分の時間を労働力として売ることしかできない労働者はいつまで経っても貧困から抜け出せません。

なので貧富の格差は拡大してしまうのです。

 

【解決策】資源や生産手段の共有

社会主義は資本主義の貧富の格差の問題をどのように解決しようとしたのでしょうか。

社会主義資源や生産手段を共有します。

例えば、国有企業や協同組合などが資源や生産手段を所有し経営することで生じた利益を人々に分配します。

そうすることで貧富の格差を是正し、平等で公正な社会の実現を目指します。

 

まとめ

まとめると社会主義は、近代に成立した資本主義の問題点が表出してきた時代に、マルクスによって理論化され、ソ連によって初めて国家運営に活用され、ソ連の崩壊と共にその実現の難しさを示すことになりました。

資本主義の問題点は私的所有を認めることによる貧富の格差の拡大であり、社会主義資源や生産手段を共有することで解決しようとしました。

 

社会主義は、理論が先行して誕生したため、それを実践し実現することが難しいマネジメントの方法でした。本当の意味での社会主義による国や組織は今も実現できていないといってもいいでしょう。

 

しかしながら、資本主義による環境問題が深刻化している現代において、社会主義は次の社会を構想するヒントとして改めて注目されてきています。

 

さて、次回は私たちが生きる今の時代のマネジメントの道具を紹介いたします。

 

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